デザインは、センスやアートとどこが違うのか?

「デザインはセンスだ」「デザインはアートだ」といった言葉を耳にすることもあります。

たしかに、どちらも“美しさ”に関わるものではありますが、そうした言葉には本来の意味が省略されていることも多く、誤解を招きやすいと感じています。

そもそもデザイン(design)とは、「設計」や「計画」を意味する言葉です。

語源をたどっても、“美しく表現すること”よりも、“意図的に問題を解決すること”に重きがあるのが分かります。

この視点で見れば、デザインとは「色をつけて綺麗に見せること」ではなく、「課題に対してどんな体験を設計するか」という構造的な思考です。

弊社でも、日々の制作を通じて、こうした本質的な意味での“デザイン”に取り組んでいます。

弊社なりの解釈──アートとセンスの違い

[アート]

アートは「自分の内側から自然と湧き出るもの」。

インプットやルールを必要とせず、湧き出た感情や関心を言葉や造形で表したもの──そう私たちは捉えています。

[センス]

センスとは「他者の視点に寄り添った、美しい背景を構築する力」。

それは、決して自己表現だけで成り立つアートとは異なります。

センスが支えるデザインは、経験と設計に裏打ちされた“共感を生む構図”なのです。

その場における「広がりある相似性」や「信頼を生む整合性」など、美しさに宿る文脈がにじみ出るような、そんな設計力が求められます。

計画としてのデザイン

このように考えると、デザインとは──

  • 「情報を伝えるための計画」
  • 「選ばれるための計算」
  • 「信頼されるための作戦」

そんな“見えない設計図”であるとも言えるのです。

たとえば、ロゴデザイン一つとっても、ただ形が美しければよいというわけではありません。

そこには、企業理念や事業の本質、ブランドとしての方向性といった、言語化された背景が必要です。

造形だけでは、ロゴに課せられた役目を担い切れない──。

だからこそ、デザインには「読み解く力」「構造を組み立てる力」「文脈を読む力」が欠かせません。

意図があるデザインは、強い

一見“センスがいい”ように見えるサイトも、よく読み込んでみると「何を伝えたいのか分からない」というバランスの悪さが出てくることがあります。

逆に、少し雑に見えるデザインでも、その意図が明確であれば、人の心を動かす力を持ちます。

発信すべてがデザインの対象

この“計画力”は、ホームページやロゴに限った話ではありません。

たとえば、

  • 電話応対
  • SNSの投稿文
  • プレゼン資料の解説文

──あらゆる場面で、“何のために・誰に・どう伝えるか”を設計していく。

それが、私たちが考える「デザイン」の本質です。


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